2017.01.27 投稿者:JTC-礒田修幸

03-ドラマ「嫌われる勇気」第3回より(アドラー心理学)

おはようございます。 講師/心理カウンセラーの礒田です(^^)

 

アドラー心理学を題材とした書籍「嫌われる勇気」

 

昨晩は第3回目でした。刑事ドラマであるということで

罪を犯した犯人を許すことはできないかもしれませんが

それにしても庵藤蘭子はなかなかに犯人に、、人に厳しいですね((+_+))

アドラー心理学が性善説であり、人間愛に満ちた学問だという事が

ちゃんと伝われば良いなぁ~~と思う今日この頃です。

(※以下、ネタバレになる部分もありますので、ご注意下さい)

 

さて今回もテーマがありました。

 

「人生は他者との競争ではない」

「他者はそこまで自分を気にしていない。一番気にしているのは自分。」

「健全な劣等感は理想の自分から生まれる」

 

 

その中でも「競争」に今日は触れたいと思います。

現実は受験や会社同士の生き残り競争など経済は競争社会で出来ている部分が多いにあるので

なかなか腑に落ちない方もいらっしゃったのではないでしょうか?

しかし、アドラーは「共同体感覚」を持つことを人生の心理的目的に掲げています。

共同体感覚は競争とは真逆。私たちは敵ではなく、共存し合う仲間であるという感覚です。

私たちは相互に助け合い、自分の得意とするところで他者を助け

生き、生かされ、支え合いながら生きています。

その意識と前回先送りにした「変わらない自分を受け入れ、認めること」について思うところを綴りたいと思います(^^)

 

***

 

「変わらない自分を受け入れる」と聞いてどのような考えが浮かんだでしょうか?

 

「そんなの甘やかしだ!」

「自分の意志が弱いだけ。」

「もっと成長しなければならないのに…」

 

様々あると思います。

僕はずっと「今の自分じゃだめだ」と思って生きていました。

なにかもっと成長しないといけない、今のままでは十分ではない

そういった思いが強かったように思います。けれど

「今の自分を否定するところから始まる成長や目標は、辛く達成も難しい」といいます。

あなたは夢や目標に向かっている友人を励ますとしたらなんと声をかけるでしょうか?

 

「もっと変わらないと!今のままではダメだ!」

「まだまだ努力が足りないな。」と言いますか?

 

きっと

「へぇ~向上心あるねぇ。でも今のままでも十分良いと思うよ。」

「その姿勢はいいけど、無理しすぎないで頑張ってね。」

「頑張らなくても頑張ってても、あなたとこうやって一緒にいて話している時間が楽しいし!」

そのような言葉をかけると思います。

 

前者はマイナスメッセージ、後者はプラスメッセージですね。

[*このあたりの内的対話は当学院2月開講コミュニケーション講座で詳しく話します*]

 

毎日自分にマイナスのメッセージを届けているよりも

「大丈夫。今の自分で十分だから!

何が出来ても出来なくてもありのままのわたしで十分ステキ(^^)」

そうプラスのメッセージを届け続けれた方が良いのです。

 

なぜなら、そもそも焦らなくても人は勝手に成長するものだからです。

日々細胞は生まれ変わり、爪や髪が伸びているのも身体が成長しているその証拠。

こころも身体の発達に合わせて年代毎に違った課題に挑み、日々成長しています。

ロジャーズも「実現傾向」を人は持っているといいましたね(^^)

進んでなく思えるときも、私たちはどんな時でも時間と同じく、戻ることなく前に進んでいますから

逆にそれに蓋をしてしまうのが私たちの自分へのかかわり

「ダメだ!」「もっとしないと価値が無い!」「今のあなたではだめ!」

のマイナスメッセージなわけです。

 

***

 

 

自分を愛すること。

愛して、自分とは「何か」というアイデンティティをはっきりと持つこと。

それが出来たとき、はじめてしっかりと私と他者の線引きができます。

 

「自分は自分でいいんだ、自分は自分の考え、価値観を大事に育み

同じように他者の考え方、価値観も認め合って大切に関わっていこう」

その思いを持って、周りの方と協力、共存ができます。

 

でも、このように自分を大事にしないことで生まれるのが他者との「競争」です。

「競争」は必ず勝ち負けがつきものです。

 

自分が勝ち、他者が負ける。あるいは他者が勝ち、自分が負ける。

「自分はあの人よりも優れている、そしてあの人はまだまだ能力が足りない」

「あの人は素晴らしい…でも自分はまだまだだ…」

 

競争には終わりはなく、常に勝負にさらされています。

毎日これだと、しんどいなぁと思います(+_+)

 

もともと人間は別々の個性を持って生まれています。

この世の中に全く同じように物事を見て、聴き、考える、同じ性格の方は

1人としていないように、そこに比べる必要性は無いはずですよね。

なのでドラマでも言っていました。

「健全な劣等感は理想の自分から生まれる。」

他者と比べても、そこに優劣をつくってしまうだけです。

 

***

 

僕はコンビニの定員の温かい笑顔、家のガス点検に来て下さる方との会話、少し離れていてなかなか会えない友人とのメッセージのやりとり、職場で一緒に働くみんなとの何気ないコミュニケーションが大好きです。

人と人との温かい関わりだけで、生きている、生かされている気になります。

 

でも、現実ある今の競争社会、そして迫ってくるAI(人工知能)時代…。

全てを「共存」にはなかなかできないかもしれないですが、いくら社会の機械化が進んでも、心を忘れてはいけないなと思います。そして、こころの発達を社会全体で推進していけたら…そう思います。

 

今回も長くなりました。次回のテーマも楽しみです。

 

乱文最後まで、お読みくださりありがとうございました。

 

講師/心理カウンセラー 礒田修幸

n.isoda@jtc-web.jp