2017.02.16 投稿者:JTC-礒田修幸
06-ドラマ「嫌われる勇気」第6回より(アドラー心理学)
こんにちは。 講師/心理カウンセラーの礒田です(^^)
アドラー心理学を題材とした書籍「嫌われる勇気」。
今回は第6回目。物語も展開し、若手刑事の心にも変化が見え始めました。
今回も話の内容よりもそのテーマに焦点を当てて綴っていきます。
(※以下、ネタバレになる部分もありますので、ご注意下さい)
さて今回は「信用と信頼」がテーマでした。
・「私はAさんのことを信用しているから、彼から上手くやってくれるはずだ。」
・「あなたのこと心から信頼しているわ。頑張ってきてね」
どちらも「信じる」という意味合いで普段何気なく、混合して使ってしまいがちですが、アドラー心理学では明確にこれら2つの言葉を使い分けていました。
そのカギとなるのが「条件」です。
過去、成果を上げているから、実績があるから、優しいから、○○が出来るから…
このような条件付きで信じているという状態を「信用」。
逆に、何が出来る出来ない関係なく、心を寄せ、無条件で信じている状態を「信頼」。
さて、普段から私たちは誰かを「信じている」時、どちらの意味合いの言葉を用いているでしょうか?
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こういう話を聴くと、よく疑問が湧いてくると思います。
「え、無条件に信じるって??」
「信じて裏切られたら?結果が出なかったらどうするの?」
「それはお人好しで、世間知らずの考え方だ!」
ドラマでも若手刑事が教授に質問していました。
でも条件付きで信じられることで良い気持ちになる人はいるでしょうか?
「信じているよ、仕事が出来る君がこんな失敗を犯すはずがない。」
と上司に褒められても
「こんなに今まで僕に尽くしてくれたんだ、信じるよ。」
と愛の言葉をささやかれても
「○○ちゃんみたいな良い子が嘘をつくはずないもの!お母さんは信じてる!」
と愛情を受けても、それよりも
「まぁ、成功あれば失敗もある。責任は私がとるから誠一杯経験しなさい。君なら大丈夫。」
「どんな君でも好きだし、こころから安心できる存在だよ。」
「嘘つきたくなる時もあるよね。でもどんな○○ちゃんでも大切なことに変わりはないから。」
とたとえ「信じる」という言葉なしでも、無条件に受け入れてくれているんだと伝わる言葉の方が嬉しく、受け取りやすいと思います。
心から相手のあるがままを信頼し、心を寄せ、評価していない時ほど「信じる」という言葉は簡単に出ません。
逆に相手を
「信じているから結果を出してほしい」
「信じているから愛して欲しい」
「信じているから良い子でいて欲しい」
と、コントロールしたい想いが強ければ強いほど「信じる」という言葉に変わることが多いのです。
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世界的カリスマセラピストのカールロジャーズも言いました。
「あなたがあなたである以上、私はあなたを愛しています」
何が出来るからではなく、どんな才能があるからでもなく
貸し借りなど含め、条件一切なしに
どんなあなたでも、あなたそのものに価値があり
ありのままのあなたが素晴らしい。
彼は来談者中心療法を体現した人でした。
「無条件で信じて貰えている」
その感覚に人は安心を感じ、初めて変わる勇気が出ます。
信じて貰えているなら、変わってみよう、より前に進んでみよう
という気持ちになります。
条件付きでの信用は、信じて貰えている時期は
安心を感じますが、時間が経ち関係性が雲行きが怪しくなると
能力や見た目、どう行動したか、そんな条件が発揮できなければ
自分はこの人にとって価値が無いんだと
自己否定感や猜疑心、モチベーションの低下につながります。
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みなさんは今、大切な人を信用してますか?
信頼していますか?
そして何よりも、自分自身のことを「信頼」していますか?
自分自身を「信用」していると、「信用」を無くすことはできません。
完璧な自分、しっかりとしている自分を信じていると
完璧に出来ない時、しっかりとしていない自分を罰し、批判するのと同じように
相手を罰してしまいます。
相手を「信頼」する為の一歩目は
自分自身を「信頼」することです。
どんな自分でも今の自分が最高だと
無条件に自分を愛し、認め、肯定すること。
ありのままの自分を受け入れられた時、初めて自分も変わり
前に進む勇気が湧いてきます(*^^*)
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乱文を最後まで、お読みくださりありがとうございました。
また、次回のドラマでお会いしましょう*
講師/心理カウンセラー 礒田修幸
n.isoda@jtc-web.jp