2015.06.22 投稿者:JTC

JTCメールマガジン[バックナンバー]《vol.15》 ~紐解いていきます~

日本心理カウンセラー養成学院
メールマガジン 《vol.15》
~紐解いていきます~
★週一回★
こころがうるおう心理学・マメ知識
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こんにちは。
日本心理カウンセラー養成学院
講師・心理カウンセラーの出口です。
毎週木曜の夕方に
日常にスグ役立ち、そしてこころがうるおう心理学・マメ知識をお届けしています。
私の住む愛知県では桜が満開を迎えています。
春は新しいことが始まる…なんだかワクワクしてきます。
さて、
先週は、こんなことをお話ししました。
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人との交流の中で、できれば不快な感じを持つことなく過ごせたら心穏やかで心地よいですよね。
しかし、いつも、
「言い合いになってしまう。」
「素直に言えなくて、言いたいことも言えず黙ってしまう。」
「意見が合わなくて、堂々めぐりで結局何も決められない。」
そして、、、後味の悪い嫌な感覚が心の中にモヤモヤと残る…。
【同じパターンで何度も繰り返し、嫌~な感じのする終結に向かう交流をする】
こんなことありませんか?
この交流を紐解いていく為に、
まずは自分が普段行ってしまいがちな不愉快な感じを結末に抱く交流のパターンに気づいてみましょう。
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という内容でした。
一週間いかがでしたか?
この様な不快感を伴う交流をしていない方ももちろんいらっしゃると思います。
ご自身には無くても、周囲の方を観察しているとパターンが見えてきたりします。
ご興味があればぜひお読みください。
(今回は少し長くなりますのでお時間ある時にゆっくりお読みください。)
この繰り返し行ってしまう不快感を伴う交流は、
心理療法の一つ、交流分析療法の中の『ゲーム分析』で言うなれば、「ゲームをしている」と言えます。
“ゲーム”・・・
この言葉を聞くと多くの方が「不快ではなく、愉快なものなのでは??」と頭にハテナが浮かぶ場合もあるでしょう。
残念ながら、、、違うのです。
交流分析療法で言うゲームの定義は、以下の通りです。
=================
◆ゲーム◆
…繰り返し起こる決まった結末への裏面的なストローク交換の交流。
※補足
ストロークとは?
⇒存在認知の刺激の1単位。
つまり、言語・非言語・身体を触れ合う等、相手に向かって投げかけたり反応したりすることを指します。
裏面的とは?
⇒言葉で話していることとは違う意味合いを持つ行動(表情・声の調子・振る舞い等)をする。
例えば、「今日は何時に帰ってくるの?(怒り口調で)」と家族に聞いたところをイメージしてください。
何時に帰ってくるのか?という単なる情報を収集するようでいながらも、怒った口調。
もしかしたら、その口調には、
「あなたはいつも遅いんだから、今日もまた連絡も無しに遅くなるんじゃないの!?」
という様な実際の言葉に表しきれない想いも含まれているのかもしれません。
この様なことを裏面的と言います。
=================
このゲームというのは決まった流れに沿って展開していく交流です。公式は以下の通りです。
【ゲームの公式】
①仕掛け人
 +
②弱点を持つ相手
 ||
③仕掛け人の反応
 ↓
④仕掛け人の役割の交代
 ↓
⑤仕掛け人と弱点を持つ相手との関係の混乱
 ↓
⑥結末
★前回伝えた例を上記の公式に当てはめてみます。
①仕掛け人
自分「(悩んでいる家族を見て)どうしたの?元気なさそうだね。」
 +
②弱点を持つ相手
家族「うん。なんかね、仕事行く気がしなくて。」
 ||
③仕掛け人の反応
自分「そうなんだ。何か嫌なことでもあったの~?」
家族「なんかさぁ、会社の上司がいつも怒っているから、今日も怒鳴られると思うと怖くて。」
自分「そうなんだ。上司が怒ってるときは、適当に流しておけばいいのよ。」
家族「でも、、仕事だから、やっぱり流していくわけにはいけないでしょう。自分が悪いかもしれないし。」
自分「じゃあ、同僚に相談してみたら?気持ちをわかってくれるかもしれないよ。」
家族「でも、、同僚に相談したら、自分が上司のこと悪く言っているって伝わってしまうかもしれない。」
(何度か提案を続けるものの、“でも・・・”が続いていく。)
 ↓
ついに、
④仕掛け人の役割交代
自分「(少し不快な顔つきで強めの口調)だったら、自分が上司に向かって言いたいことをはっきり言ったら良いじゃない!」
※この様に、最初のスタートの時の雰囲気とは違う、まるで役割を交代したかのように心の状態が急変します。
 ↓
⑤仕掛け人と弱点を持つ相手の関係の混乱
家族「(動揺)えっ・・言えないよ…。もういい。(落ち込んだ表情。わかってもらえていない気持ち。)」
 ↓
⑥結末
自分「(あぁ…また言ってしまった…。後悔や罪悪感。)」
家族「(一人部屋の中でモンモンとしている)」
前回もお伝えしましたが、これは私が心理学を学ぶ前よく家族にしていたゲームのパターンです。
心理カウンセラー養成講座の授業でゲーム分析を初めて学んだ時、ハッとしました。
何を隠そう、このゲームは自分が巻き起こしているものだったからです。
それに気づいた時はとても衝撃的で、数日その事実を受け入れるのに時間がかかりました。
「まさか、私が!? 自分が巻き起こしていたのか~~…
はぁ…(溜息)何かショック。家族の為にって一生懸命考えてきたのに、まさか私が原因だったなんて。。。」
という感じで。
あなたはいかがでしたか?
・・・でも、大丈夫なのです!
「今、気づけたよね。(^‐^)」
そう、あなたに伝えてあげて下さい。
そのパターンに気づいたら、そこから脱却する事が出来ます。
まず、3ステップに分けて自分の感情の流れを理解しましょう。
◆1◆最初相手と話し始めた時の気持ち
⇒なんだか心配。力になりたい。優しい気持ち。
(その一方で、裏面として「あなたはきっと解決できないわ。」という相手を信じていない様な想い。
…これは意識していないことが多いです。私は何か月か経ってやっと気づきました。)
◆2◆交流が進む中での自分の気持ち
⇒最初は優しい気持ちだったけど、提案を続けても全くウンと頷かない家族を見てイライラ。
◆3◆最終味わう気持ち
⇒本当は力になりたいだけなのに。またやってしまった。
罪悪感…後悔。。
それぞれの感情に、ただただ、「わかったよ」と伝えていきます。
優しい自分から始まって、
なかなか相手が変わらなくてイライラして、
最後強く相手に言ってしまい、後悔しているんだね。
罪悪感を感じたんだね。
オッケー、わかったよ。
フラットに、こんな感じです。
一人では難しい方は心理カウンセラーと一緒に向き合って行くと大分気持ちが楽になりますよ。
「そんな気持ちを持ってはいけない!こんなきつい言葉を言う私はダメだ!」
とか
「いやいや、相手が悪いんだ!私は悪くない!相手が変われば良い!」
と思ってしまうと、不快な感情に対してもっともっと心は多くのエネルギーを費やすことになります。
では、このゲームから抜け出す為にはどうしたら良いでしょうか?
最後にいくつか方法をお伝えします。
★自分を信頼する。相手を信頼する。
★自然で天真爛漫な自分で反応する。
★相手の話を否定せずにじっくり寄り添って聴く。
★冷静な自分を意識してふるまう。
★否定的な言葉ではなく、肯定的な言葉を多く使うようにする。
ちなみに今回挙げた一例においての私なりの抜け出し方は、
「相手の話を否定せずにじっくり寄り添って聴く」
でした。
私は相手の力になりたいと思っていても、
提案ばかりをして結局相手を信頼していない関わり方になっていたことに気づきました。
じっくりと、聴き方を専門的に学び、
家族に対して冷静に話しを聴くことができるようになったら自然とこの交流は減っていきました。
お互い心地よい感じを持ちながら話をする時間が増えました。
…こんな風に、ゲームを分析して、自分のパターンがわかったら、次はどうしたら良いか?がわかってきます。
いかがでしたでしょうか?
紐解くきっかけになりましたでしょうか?
実はこのゲーム分析、まだまだ奥が深く、次回に続くのです!
ゲームの公式 “⑥結末” に抱く感情は、、
実は本物の感情ではないのです。
私たちは本物の感情ではない偽物の感情を、
ゲームを通して度々味わおうとしてしまうのです。。。
「えっ!?感情に偽物とか本物とかあるの!???」
という声が聞こえてきそうですが…
今回はここまでにさせて頂きます。
次回は、その偽物の感情についてお話しいたします。
楽しみにお待ち下さい!
本日もお読み頂きありがとうございました。
出口さゆり
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