2015.06.22 投稿者:JTC
JTCメールマガジン[バックナンバー]《vol.16》~不快感にはヒントが詰まってる!?~
日本心理カウンセラー養成学院
メールマガジン 《vol.16》
~不快感にはヒントが詰まってる!?~
★週一回★
こころがうるおう心理学・マメ知識
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こんにちは。
日本心理カウンセラー養成学院
講師・心理カウンセラーの出口です。
毎週木曜の夕方に
日常にスグ役立ち、そしてこころがうるおう心理学・マメ知識をお届けしています。
ここ数日春にしては寒い日が続き、体調を崩しがちですね。
…という私が、喉になんだか違和感が…こじらせてしまう前に暖かくして過ごそうと思います。
寒暖の差が激しい季節です。ご体調には気を付けてお過ごしください。
さて、
先週は、こんなことをお話ししました。
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人との交流の中で、なぜだかわからないけれど、繰り返し行ってしまう不快感を伴う交流は、
心理療法の一つ、交流分析療法の中の『ゲーム分析』で言うなれば、「ゲームをしている」と言えます。
交流分析療法で言うゲームの定義は、以下の通りです。
=================
◆ゲーム◆
…繰り返し起こる決まった結末への裏面的なストローク交換の交流。
※補足
・ストロークとは?
⇒存在認知の刺激の1単位。
つまり、言語・非言語・身体を触れ合う等、相手に向かって投げかけたり反応したりすることを指します。
・裏面的とは?
⇒言葉で話していることとは違う意味合いを持つ行動(表情・声の調子・振る舞い等)をする。
例えば、「今日は何時に帰ってくるの?(怒り口調で)」と家族に聞いたところをイメージしてください。
何時に帰ってくるのか?という単なる情報を収集するようでいながらも、怒った口調。
もしかしたら、その口調には、
「あなたはいつも遅いんだから、今日もまた連絡も無しに遅くなるんじゃないの!?」
という様な実際の言葉に表しきれない想いも含まれているのかもしれません。
この様なことを裏面的と言います。
=================
このゲームというのは一連の流れに沿って展開していく交流です。公式は以下の通りです。
【ゲームの公式】
①仕掛け人
+
②弱点を持つ相手
||
③仕掛け人の反応
↓
④仕掛け人の役割の交代
↓
⑤仕掛け人と弱点を持つ相手との関係の混乱
↓
⑥結末
この流れに沿って行ってしまいがちな交流はありませんか?
もし交流のパターンに気づいたなら、下記5つの対策が出来ます。
★自分を信頼する。相手を信頼する。
★自然で天真爛漫な自分で反応する。
★相手の話を否定せずにじっくり寄り添って聴く。
★冷静な自分を意識してふるまう。
★否定的な言葉ではなく、肯定的な言葉を多く使うようにする。
ぜひ、やってみて下さいね。
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という様なお話しでした。
さて、
今回は上記、ゲームの公式の【⑥結末】で味わう感情についてお話ししたいと思います。
◆⑥結末で味わう気持ち◆
他者との決まったパターンによって繰り広げられる交流の最後、後味の悪い感じ。不快感です。
例えば、
後悔、心配、不安、罪悪感、自己卑下、憂うつ、あわれみ、傷心…
怒り、優越感、競争意識、義務感、嫌悪感、緊張感、批判、恨み…
恐怖、あせり、落胆、孤独感、虚無感、敗北感、疲労感、絶望感…
種類はまだ他にもあるかと思います。
あなたが度々感じやすい感情はありましたでしょうか?
交流分析療法ではこれらの感情を“ラケット感情”と呼んでいます。
=================
ラケット感情とは…
幼児期から身につけた不快で慢性化した感情
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ゲームはこの結末の感情を味わう為に何度も繰り返し行ってしまうと言われています。
無意識に展開していきますので、意図的にやっているわけではありません。
実はこのラケット感情は別名“偽物の感情”と言われます。
特に子どもは、自分が純粋に感じた本物の感情を感じたり、表現をしたりします。
(楽しみたい、受け入れてほしい、悲しい、愛されたい…等など)
しかし、
その純粋に感じる感情を持ち、表現する自分を周囲から受け入れてもらえない体験をした時、
人はその本物の感情を偽物の感情へとすり変えてまで他者受容を得ようとします。
すり替えた後の感情が【ラケット感情】です。
私が小学校一年の頃、学校で友達にからかわれた時、
母親に「お母さん、友達にこんなこと言われたんだよ。(内心:私を受け入れてほしい⇒本物の感情)」
と言いました。
母親は「何?あなたが何か悪いことでもしたんじゃないの?急にからかわれたりしないでしょ!?」
と言いました。
きっと、母親も、わが子が友達と上手に関係を作れていない話を聴いて、不安になってとっさにいってしまったのでしょう。
私は、それをきっかけに、
「私が悪いんだ。友達に悪いことしちゃったんだな。(罪悪感⇒すり替えた後の感情ラケット感情)」
そう感じることが多くなっていきました。
こうしていると、母親は安心した様子なので、
「これでいいんだな。自分が悪いって思えば良いんだな。」と思い、
その他自分が悪くないことでも“罪悪感”というのを度々感じるようになっていきました。
そして更に、
ゲームによって最終「罪悪感」を感じる交流を繰り返し、繰り返し行っていったのです。
ラケット感情を手放すには、当時幼いころの自分はどんな本物の感情を感じていたのか?
それを思い起こし、感情を再体験し、本物の感情を自分の心に取り戻すことが必要です。
私は心理学を学び、ラケット感情について初めて知った時、とても驚きました。
罪悪感を感じる、「これが自分。こういう性格。」と思いこんでいただけに、衝撃的でした。
それからというもの、ゲームに気づくたびに、
【自分が当時何を本当は求めていたのか】を探っていくようになりました。
やがて、「本当はお母さんにただただ、受け入れてもらいたかったのだなぁ」と気づいたので、
子どもの頃味わい切れなかった当時の気持ちを遅まきながらも、十分に味わいつくしました。
そうしたら、罪悪感を感じるような交流は次第に減っていきました。
これは一例にすぎませんが、、、。
いかがでしょうか?
あなたにもラケット感情がもしあるとしたら、どんな感情でしょうか。
そして、あなたが本当に感じていた純粋な感情はなんでしょうか?
ゲームに気づいたら、
「本物の感情を取り戻すチャンスかも…」
そんな風に思って気持ちを切り替えてみるのも良い方法かもしれません。
※ご注意:不快な感情に浸り過ぎないことです。
万が一、不快な感情が大きくなってしまったら、
思い切って、気分を変えて美味しい温かい飲み物を飲みながらリフレッシュしたり、
大きく深呼吸を10回してみたり、好きな音楽を聴いたりして、
あなたが良い気持ちで心満たされる時間へと意図的に変えていってくださいね。
≪過去と他人は変えられない、変えられるのは“今ここ”と自分だけ≫
これは交流分析療法で軸となる考え方です。
さて次回は、あなたの人生の筋書き、シナリオがあるとしたらがどんなストーリーが良いですか?
そんなお話しをしたいと思います。
楽しみにお待ち下さい!
本日もお読み頂きありがとうございました。
出口さゆり
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