2011.10.15 投稿者:JTC-出口 さゆり
37-人生を味わう。
こんばんは、出口です。
先日、懐かしいテレビアニメがたまたま放送されているのを
少しだけ夫婦で鑑賞しました。
二人とも思わず
『懐かしい~!!見とった~?(標準語だと見てた?)』とお互いの感覚を確かめ合いました。
流れるテーマソングを二人で歌い、わからないところは鼻歌や替え歌にしながら
まるでこどもにかえったようにウキウキしていました。
『いや~毎週見とったわ~…(見てたわ)
今敵だけど、いずれはこのキャラ、イイモン(良い者役・悪い者役の【良い者役】)になるんだよね!』
『そうそう~!』
なんて、意外なところで盛り上がりながらも、過去の記憶が蘇りました。
私『このアニメだけはお父さんが見るの許してくれたんだよね~。
お父さんも好きだったから。』
主人『えっ!?これ以外ダメなの!?家じゃ有り得ない…』
そんな会話から…
私が育った家特有の物語が蘇り、私はおもむろに話し始めました。
私の父は昔、自分が見たいテレビはこどもにも見せてくれるけれど、
父が教育にあまりよくないと判断したアニメを私たちが見ていると、
すごい勢いで怒り、『すぐに変えろ!みたくもないわ!』と命令されるのでした。
渋々私たち(兄弟共に)はそれに従い、夕食は早く食べてサッサと部屋に行き、兄弟で何かして時間をつぶしていました。
父がお酒を飲んでテレビを壊そうとする時もありました。
父がお酒を飲み過ぎて私たちの部屋を見回りにくる足音、【ドスン…ドスン…】
怖くて怖くて仕方ありませんでした。
しかし、当時の私にとってはそのようなことは日常茶飯事で、当たり前のようになっていました。
そうしないと、日常を送れなかったから、無意識に心を守っていたのでしょう。
そんな中、早く父の機嫌が治まるには、私が少しでも良い子でいなければと一生懸命良い子で居ました。
『凄まじいね……』
と主人は一言。
いかに、私が当たり前のようにして育った環境が危険を伴っていたか、他者の意見を聞いて改めて気づきました。
今まで過去の心の傷を一つ一つ癒してきましたが、
意外な記憶が蘇り、今現在にそのトラウマが原因でありのままで居られない時はないか?
考えるきっかけになりました。
父は、お酒を飲んでいないと本当に穏やかで、優しくて頼りがいがあって…
私にはいろんな意味で大きすぎる存在でした。
当時の父が、お酒が理由で人格が変わっていたとしても…
私が感じた恐怖や、危険性があったのは、確かです。
今、父を責める気持ちは全くおきませんが、
当時の小さな私を私が抱きしめて、側に居て、ありったけの気持ちをスッキリするまで聴いていたい。
そう感じました。
過去には戻れませんが、その時の気持ちに寄り添い、
受け止めてゆくことはできます。
今回はまた一つ、大切な記憶が蘇りました。
父も好きで一緒に見ることができた唯一のアニメ。
そんな楽しい記憶と、それとは真逆の辛い過去。
同時に思い出すことができる欲張りな気づきでした。
十分に時間をとってこの記憶について洞察して、
新しい気づきに繋げてゆきますo(^-^)o
そんな風に人生を味わう出口でした。